公私の重なる部屋

2011.12.16

アンバンは、韓国住居の近代化過程のなかでも強く存続し続けた。伝統型の一戸建住宅においてプオクの隣に必ずアンバンが読みとれるように、集合住宅においても、プラン上必ずアンバンと読みとれる部屋がある。コシルの奥の日当たりのよい、最も大きなオンドル部屋に、平面図上アンバンの室名はなく、設計者がそれをどこまでアンバンと考えたかは不明ながら、居住者のほとんどがその部屋をアンバンと呼ぶのである。しかし、このアンバンからは、伝統的なアンバンがもっていた複合的な意味と機能は次第に失われつつある。

[参考サイト]
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そこにおかれた螺釦の家具セット、特に鏡台が、〈主婦のへや〉を感じとらせてくれるものの、もはや主婦の地位を象徴し、家族生活を管理する部屋ではない。主婦の役割は家族の変化と家事の社会化によって小さくなり、生誕と死の場さえ社会化されてしまった。食事、団頻、親しい人の接客も、導入された公室であるコシルに移り、アンバンは単なる主寝室へと変容しつつある。いまはまだ、洋風化した住空間のなかで唯一伝統的しつらえの残るアンバンで食事をしたり、丁寧なもてなしをする住み方も残ってはいる。