専門家もわかっていない結露の防ぎ方

2011.09.30

水蒸気を通しやすい断熱材を使用する場合は、このように水蒸気のバリアをどこに設けるかでどこに壁内結露するかが決まるのです。しかし、実際に壁内結露の発生原理を知っている人間は、建築の専門家や一級建築士でも少ないのです。技術者が一〇〇人いたら、そのうちの数人でしかないというのが現状です。実際、大手ハウスメーカーの住宅でも、結露が発生する壁構造になっている例はたくさんあります。たとえばつぎのような場合です。(1)防湿コンセントを使用していなくて、室内側に完全な防湿層を施工をしていないもの。(大多数がこれにあたる)。(2)外部を構造用合板でおおっている壁(2×4工法はこれにあたる)。構造用合板は水蒸気を通しにくい材料なので、その外側に通気層をとっても壁内結露を防ぐ効果はない。(3)ALCなどの透湿性のある外壁を使用しながら、通気層をとっていない場合。壁の中にびっしりとグラスウールを入れて、こうしたやり方をしていたら、わざわざ結露を招くようなものです。とくに2×4工法は、その壁構造から見て壁内結露の可能性のひじょうに高い工法ですから、北米では2×4工法の外部構造用合板は、各壁の合板の中央に、二分の一インチ以上のすき間を水平に設けて貼り、通気をとることが義務づけられています。これは、水蒸気を外部に放出するためです。このすき間は、家の強度に影響を与えないとのことですが、日本では建築基準法に合致しないので行なえません。しかし、これをやらずに透湿抵抗の高い構造用合板で外側をふさぎ、壁の中をグラスウールで満たせば、内部で人間が通常に生活するかぎり、壁内結露を起こすことはほぼ確実です。建築後五、六年が経過した2×4工法住宅を解体すると、壁の中が湿気て温もりをもっているのです。透湿性のあるグラスウールの外側を透湿抵抗の高い材料でおおってしまうことは、ちょうど人間の体に布団をかけて、その上をビニールですっぽりおおってしまうのと同じです。人間の体から出た水蒸気(汗)は逃げ場がなくなり、布団をびっしょり濡らしてしまうのです。三〇〇ミリグラスウール断熱などと断熱材の厚みを大きく表示されると、いかにも断熱性がよいように感じるユーザーがほとんどでしょう。しかし、断熱材は、最高厚さよりも、最低厚さの部分の断熱性のほうが問題なのです。結露は、もっとも断熱性能の低い場所に集中的に発生するからです。また、断熱だけして防湿処理を怠ると、かえって壁の中に結露してしまいます。

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