二重債務と抵当権

2011.11.04

マンションが被災すると、その復興に向けて建替えるにしろ、補修するにしろ多額の費用を要する。建替えの場合、グリーンハイツ住吉で公的補助を受けた後の一住戸あたりの平均負担額は一五〇〇万円、神陵台東住宅53号棟では一三〇〇〜二一〇〇万円台であった。一方、補修による復旧の場合、共用部分だけで朝日ヶ丘レックスマンションでは一住戸あたり四七五万円、芦屋川アーバンライフでは約七〇〇万円であった。被災した住民がこれらの金額をどのように捻出できるかが復興の成否をきめる実質的な問題である。

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多くの住民は被災する前の住戸に抵当権を設定しており、復興に向けて新たなローンを組むとなると二重債務になる。実は、建替えか、復旧かの議論の段階でこの点が十分に検討されなかった事例が多く見られた。いったん建替えに賛成したものの、建替え資金の調達ができなくて権利を処分して計画から離脱しなければならなかったり、建替え決議後に調査をしてみると多額の抵当権が設定されている住戸が判明して計画が難航したりした場合もある。検討段階で住民が本音のところで話し合いをし、住民の財務状態を把握した上で対策を立てることが離脱者を出さない重要なポイントである。